2026年9月10日、生駒商工会議所で「生成AIを活用した業務効率化セミナー」の講師を務めました。
はじめに
サブタイトルは「『できない』を、AIと一緒に『できる』へ」。
AIをまだ使ったことがない、あるいは触ってみたけれど仕事にはつながっていない、という中小企業の経営者や担当者の方に向けた120分でした。
12名ほどの方にご参加いただき、終了後には商工会議所の個別相談会のご予約もいただきました。
手応えのあった内容を振り返ります。
セミナーで一番お伝えしたかったのは「AIに頼む仕事は、大きな仕事ではなく、小さな一手順から選ぶ」ということです。
会社の仕事を細かく分けて、そのうちの一手順をAIに頼む練習を、その場でチラシ作りを題材にやっていただきました。
1. どんなセミナーだったか
会場は生駒商工会議所の会議室。
15時から17時までの120分で、講義と実習を交互に組み立てました。
参加された方の業種はさまざまで、経営者の方というより社員さんが多めでした。
事前にいただいた質問には、こんなものがありました。
「生産性はどれくらい上がるのか」
「会社の業務にどう組み込めばいいのか」
「一から教えてほしい」
「入力した内容は、どこまで漏れるのか」
どれも、AIを仕事で使い始める前に必ず引っかかるところです。
この4つに答えられる構成にしよう、と決めて資料を作りました。

2. AIを活用すると、こんなに変わります
最初に、僕の会社で実際に動いている仕組みを3つお見せしました。
ひとつめは、ネットショップの出品作業です。
商品10個を3つのモールに出品する作業が、以前は6時間30分ほどかかっていました。
今は15分で終わります。1個あたりの手作業の工程は、27工程から7工程に減りました。
ふたつめは、予約の受付と顧客情報の管理を自動化した仕組み。
みっつめは、毎週月曜の朝7時に、先週の数字とAIのコメントが自動で届く経営レポートです。
以前は毎週日曜に1時間以上かけて集計していたものが、今は手作業ゼロになりました。
ここで大事なのは、3つとも最初の一歩は同じだったということです。
AIに一手順を頼む。
前後を道具でつなぐ。
手を離せる仕組みになる。
この順番でした。
だからセミナーでは「今日はこの3つは作りません。最初の一手順を持ち帰ってもらいます」と、はっきりお伝えしました。
3. 会社の中を細分化して考える
「AIで何ができますか」と聞かれると、答えに困ります。
何でもできるからです。
例えば「請求書づくりの中の、文面と宛名を作るところをAIにやらせたい」と言われたら、すぐに答えられます。
そこで、会社の仕事を大きな丸から小さな丸へと割っていく図を使いました。
会社、部門、その中の小さな仕事、さらにその中の一手順。
書き出すのは小さな仕事まで、AIに頼むのはその中の一手順だけ、という線を引きます。
ワークシートには、まずご自身の仕事を書き出していただきました。
そして「自分でやる」「人に頼む」「AIに頼めそう」の印を付けていく。
ここで手が止まっても、それで正解です。
この棚卸しをした経験そのものが、次の一歩の土台になります。
4. ワーク:AIとチラシを作ろう
AIへの頼み方の練習は、チラシ作りでやりました。
セール、新商品、求人、イベント、開店、季節のあいさつ、会社紹介、お客様の声。
8種類のチラシの「頼み方」をあらかじめ用意し、QRコードで開いてもらいました。
自社の名前や日付を穴埋めして送るだけで、チラシの下書きが返ってきます。
種明かしをすると、8種類すべてが同じ型で書かれています。
目的、相手、内容、条件、出力の形。
この5つを伝えれば、AIはちゃんと動きます。
「AIに役割を与えると良い」とよく言われますが、役割は味付けです。
効くのは、条件の具体さのほうです。
この型は、チラシだけのものではありません。
メールや案内文はもちろん、Webの文章、SNSの投稿、取引先への提案文にも、そのまま使えます。
5. 置き換えが思いつかないときは
ワークの途中で「自分の仕事のどこをAIに頼めばいいか、思いつかない」という声がよく出ます。
そのときにお伝えしているのが、この一言です。
「できないかもだけど、できたらいいな」を、そのままAIに話してください。
きれいな指示文を書こうとしなくていい。
うまく言えないことを、うまく言えないまま話す。
AIは、そこから一緒に整理してくれます。
これが「問い力」の入口です。
観察して、判断して、考えて、本質をつかんで、言葉にする。
AIの時代に一番大事になるのは、この力だと考えています。
6. 安全に使うために
事前の質問にもあった「入力した内容はどこまで漏れるのか」には、時間を取って答えました。
入れてはいけない情報を、まず決めること。
お客様の個人情報や取引先との契約内容のような、外に出せない情報はAIに入れません。
そのうえで、ChatGPTの無料版と有料版、会社向けプランでは、入力内容が学習に使われるか、サービス側に残るかが違います。
どのプランでも「学習に使わない」設定にしたうえで、入れない情報のルールを社内で決めておく。
この2段構えをおすすめしました。
もうひとつ、AIの答えの精度を上げる準備として「自社紹介メモ」を持ち帰っていただきました。
事業内容、客層、強み、口調を1枚にまとめて、AIに見せる。
頼み方と、見せる資料。
この2つで、答えの精度が決まります。
7. 質疑応答と、その後
最後に質疑応答の時間を5分取りました。
手が挙がる挙がらないは別として、その時間を取っておくのがセミナーだと思っています。
終了後、商工会議所の個別相談会のご予約をいただきました。
セミナーの中で「今日は入口です。もっと使いこなしたい方は、商工会議所の個別相談会へ」とお伝えしていたので、その一歩を踏み出していただけたことが何より嬉しかったです。
まとめ
今回のセミナーで持ち帰っていただいたのは、大きな仕組みではありません。
自分の仕事を細かく割って、その中の一手順をAIに頼む、という最初の一歩です。
AIは部品のひとつです。
一手順が速くなり、前後を道具でつないで、初めて手を離せる仕組みになります。
その道のりを、僕自身の会社の実例でお見せできたことが、今回の一番の収穫でした。
最後に、「いままで興味があってAIセミナーでてますが、どれもイマイチで、今回聞いた内容はとても実践的で良かったです」
とお声がけいただいたのは嬉しかったです。
生駒商工会議所の皆さま、ご参加くださった皆さま、ありがとうございました。
自社の仕事のどこからAIに頼めばいいか、一緒に整理したい方は、無料相談で現状を伺います。
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