「AIを使った方がいいのは分かっているけれど、何から始めればいいのか分からない」。
中小企業の経営者から、いちばん多くいただく相談です。
はじめに
こんにちは、みんなのデジタル参謀の脇田です。
私は奈良県で買取事業の会社を23年経営しながら、ChatGPTやClaude(クロード)といったAIを毎日の実務で使っています。
この記事では、評論ではなく「自分の会社で実際に毎日動いている使い方」だけを7つ紹介します。
特別なシステム開発の話ではなく、月数千円のAIプランから始められるものが中心です。
結論:中小企業のAI活用は、ツール選びよりも「小さな1業務」から始めるのが正解です。
最初の一歩でおすすめなのは、議事録・メール下書き・文章作成のどれか1つです。
1. 週次レポートの自動作成
毎週月曜の朝、自社サイトの検索データと売上の週次レポートが、AIの分析コメント付きで自動的にメールに届くようにしています。
以前は数字を集めるだけで時間がかかっていた作業が、今は「届いたレポートを読んで判断する」ところから始められます。
経営者の仕事は数字を集めることではなく、数字を見て決めることです。
そこにたどり着くまでの作業をAIに任せるのが、いちばん効果を実感しやすい使い方です。
2. 経費明細のチェックと仕分け
クレジットカードの利用明細をAIに読み込ませて、経費の仕分けと「増えている支出」のチェックをしています。
毎月の明細を目で追うのは大変ですし、サブスク(毎月自動で課金されるサービス)の解約漏れなどは人の目では見落としがちです。
会計ソフトで取り込むだけではなく、機械的なチェックはAIの得意分野なので、任せてしまうのが向いています。
3. 会議の文字起こしと議事録
打ち合わせの録音をAIで文字起こしして、決定事項と宿題を整理した議事録に仕上げています。
「誰が・何を・いつまでに」が残るだけで、会議のやり直しが減ります。
録音データを外部に送らずパソコンの中だけで処理する方法もあるので、機密性の高い会議でも使えます。
4. ブログやお知らせ文章の下書き
この記事のようなブログも、検索データを根拠にテーマを決め、AIと一緒に下書きを作っています。
大事なのは、AIに丸投げしないことです。
事実の確認と、自分の経験や考えを入れる部分は必ず人間がやります。
AIが下書きまでを作り、人が仕上げる分担にすると、文章仕事の負担が大きく減ります。
5. ネットショップの商品説明文づくり
買取事業ではネットでの販売も行っており、商品説明文の作成にAIを使っています。
ここで注意しているのは、容量や個数といった商品のスペック(仕様の数字)をAIに無断で書き換えさせないことです。
文章の言い回しはAIに任せて、数字と事実は人間が守る。
この線引きさえ決めておけば、出品作業はかなり速くなります。
6. 問合せメールの返信下書き
お客様や取引先へのメール返信も、まずAIに下書きを作らせて、自分の言葉に直してから送っています。
特にお断りの連絡や督促のような「書き出しに悩むメール」ほど効果があります。
ゼロから書くのと、下書きを直すのとでは、心理的な負担がまったく違います。
7. 小さな社内ツールを自分で作る
少し慣れてきたら、Claude Code(クロードコード)というAIに指示を出して、社内向けの小さなツールを作ることもできます。
私の会社では、勤怠の集計や在庫リストの整理といった「市販ソフトを買うほどではないけれど毎回手作業でやっていた仕事」を、AIと一緒に作った仕組みに置き換えてきました。
ここまで来ると、AIは「文章を書く道具」から「業務を組み立てる相棒」に変わります。
ChatGPTとClaude、どちらを選ぶ?
どちらも優秀で、正直なところ最初の1業務ならどちらでも大きな差はありません。
私は文章の自然さと長い資料の読み込みに強いClaudeを中心に使っています。
Claudeの種類や料金プランの選び方は、別の記事で詳しくまとめています。
Claudeを中小企業で活用するには?4種のサービス比較と導入ステップ
よくある失敗パターン
相談を受ける中で、つまずき方はだいたい共通しています。
1つ目は、いきなり全社導入しようとすることです。
まず経営者本人か、興味のある社員1人が1業務で使い、うまくいった形を横に広げる方が定着します。
2つ目は、AIの出力をそのまま使うことです。
数字・固有名詞・お客様に約束する内容は、必ず人間が確認します。
3つ目は、1回試してやめてしまうことです。
AIへの頼み方(指示の出し方)は少し練習が要ります。
3回やり直しを頼んでも人間の部下と違って嫌な顔をしないのが、AIのいいところです。
よくある質問
Q. 何から始めるのがおすすめですか?
A. 議事録・メール下書き・文章作成のどれか1つです。
毎週必ず発生する業務で、失敗してもやり直しがきくものから始めると続きます。
Q. 無料でも使えますか?
A. ChatGPTもClaudeも無料版があります。
お試しは無料版で十分ですが、仕事で毎日使うなら月数千円の有料プランの方が性能と使用量の面で実用的です。
Q. 会社の情報を入れて大丈夫ですか?
A. 顧客の個人情報や機密情報は入れない、というルールを先に決めてから使ってください。
有料プランでは入力内容をAIの学習に使わせない設定も選べます。
ルールを1枚にまとめてから配ると、社内に安心して広げられます。
まとめ
中小企業のAI活用は、大きな投資も専門部署も要りません。
小さな1業務から始めて、うまくいった形を少しずつ広げていく。
この記事で紹介した7つは、すべて私の会社で実際に動いているものです。
「自分の会社ならどの業務から始めるのがいいか」を一緒に整理してほしい方は、無料相談をご利用ください。