初心者編 Claudeをはじめる
Claudeには「チャット」「Cowork(コワーク)」「Claude Code(クロード コード)」という3つの使い方があります。この冊子を読み終えると、自分の仕事にはどれが合うかがわかり、実際に使い始められます。AIを触ったことがない人を想定して書いています。
第1章 Claudeファミリーの全体像 どれを使えばいい?
Claude(クロード)は、Anthropic(アンソロピック)というアメリカの会社が作ったAIです。
同じClaudeというAIを、目的別に違う道具として使えるようになっています。
まずは4つの道具の違いを、料理店の例でつかみましょう。
- チャット(Claude) = カウンター越しの相談。聞けばすぐ答えてくれる
- Cowork = 仕事をまるごと任せる依頼。「この材料で弁当50個作っておいて」と頼んで、できあがりを受け取る
- Claude Code(ターミナル版) = 自分の厨房に入ってもらって一緒に作業する職人。道具も材料も直接触ってくれる
- Claude Code(Web版) = その職人に、離れた場所からネット経由で仕事を頼む窓口
| 道具 | 画面 | 得意なこと | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| Claude(チャット) | Webブラウザ・スマホアプリ・デスクトップアプリ | 質問、相談、文章作成、要約、アイデア出し | 全員。まずここから |
| Claude Cowork | デスクトップアプリ(パソコン) | ファイル整理・資料作成など、成果物ができる仕事の丸ごと依頼 | エンジニアでない実務者 |
| Claude Code(ターミナル) | ターミナル・PowerShell(黒い画面) | パソコン内のファイル操作、プログラム開発、自動化 | 開発者・突き詰めたい人 |
| Claude Code(Web版) | ブラウザ(claude.ai/code) | インストール不要でClaude Codeの作業をクラウドで実行 | まず試したい人・外出先 |
人間の言葉を理解して、文章を書いたり考えたりできるコンピュータプログラムのこと。Claudeは文章のやり取りが得意なタイプのAIです。
チャット(第1章〜第4章)から始めて、慣れてきたらCowork(第5章)、興味が出たらClaude Code(第6章)へ。この冊子もその順番で進みます。
第2章 料金プランの選び方
Claudeは無料でも使えます。仕事の道具にするなら有料プランが現実的です。
2026年7月時点で、公式料金ページに掲載されているプランは次のとおりです。
| プラン | 料金(米ドル) | 主な内容 |
|---|---|---|
| Free | 0ドル | チャットの基本機能。Web検索、ファイル作成、メモリ機能も使える |
| Pro | 月20ドル(年払いは月あたり17ドル) | 使用量が増える。Claude Code・Cowork・Researchなどが使える。個人の仕事用の定番 |
| Max | 月100ドル(5倍)/月200ドル(20倍) | Proの5倍または20倍の使用量。新機能への先行アクセス。ヘビーユーザー向け |
| Team | 1人あたり月20〜25ドル(標準シート)ほか | 5人以上のチーム用。管理機能付き。プレミアムシート(月100〜125ドル)もある |
| Enterprise | 要問い合わせ | 大企業向け。シート+使用量課金。高度なセキュリティ管理 |
まず経営者や担当者1人がProプラン(月20ドル)で1〜2か月試す。効果を確かめてから人数を増やす。最初から全員分を契約する必要はありません。
一定時間内にAIとやり取りできる量の上限のこと。たくさん使う日は上限に当たることがあり、上位プランほど上限が大きくなります。
第3章 Claudeチャットの基本操作
始め方
- ブラウザで claude.ai を開く(スマホはApp Store/Google Playで「Claude」を検索)
- メールアドレスまたはGoogleアカウントで登録する
- 画面下の入力欄に、日本語で話しかける
できること
- 質問・相談: 「インボイス制度を小学生にもわかるように説明して」
- 文章作成: 「お客様への値上げのお知らせ文を、丁寧な言葉で書いて」
- 要約: 長いメールや議事録を貼り付けて「3行でまとめて」
- ファイルの読み取り: PDF・Word・Excel・画像を添付して「この請求書の内容を表にして」
- Web検索: 最新情報が必要な質問では、Web検索をオンにすると出典リンク付きで答えてくれる
- 音声モード: スマホアプリなどで、話しかけて使える(ベータ機能)
正式版になる前の「お試し公開」段階の機能のこと。使えますが、動きが変わったり不具合があったりすることがあります。
ファイルの添付
入力欄の「+」ボタンなどから「Add files or photos」でファイルを付けられます。
PDF、テキスト、画像、CSV、Excel、Wordなどに対応しています。1ファイル30MBまでです。
メモリ機能
Claudeは過去の会話から、あなたの仕事や好みを覚えてくれます(メモリ機能)。
覚えた内容は設定画面(Settings > Capabilities)からいつでも確認・編集・削除できます。
覚えてほしくない相談は、シークレットチャット(incognito)を使えば記憶されません。
第4章 モデルの選び方と上手な頼み方
モデルの選び方
Claudeの中身のAIには種類(モデル)があり、画面上部で切り替えられます。
| モデル | 特徴 | 使いどころ |
|---|---|---|
| Haiku 4.5 | 軽くて速い | 簡単な質問、日常の要約。使用量の消費が最も少ない |
| Sonnet 5 | 日常の主力(公式表現では「デイリードライバー」) | 文章作成、分析、調べもの。迷ったらこれ |
| Opus 4.8 | 高度な推論 | 専門的で複雑な検討。消費は重い |
| Fable 5 | 最新・最高性能(有料プラン限定) | 長く複雑な仕事を途中確認少なく任せる。消費は最大 |
「大きすぎるモデルの使用は使用量制限の無駄遣い」と公式チュートリアルに明記されています。日常はSonnet、ここぞの時だけ上位モデル、が賢い使い方です。
上手な頼み方の基本原則
Anthropicの公式ガイドは、コツをこう説明しています。
Claudeを「優秀だけれど入社したばかりの新人」と考える。社内の常識や文脈を知らないので、正確に説明するほど良い結果になる。
新人に仕事を頼む時と同じで、次の4点を伝えると結果が大きく変わります。
- 誰として答えるか(役割): 「あなたは中小企業の経理担当です」
- 何のためか(目的): 「新規のお客様に送る案内文です」
- 条件(制約): 「300字以内。専門用語なし。敬語で」
- 見本(例): 「過去の文面を貼るので、この雰囲気に合わせて」
悪い例と良い例
悪い例: 「チラシの文章を書いて」
良い例: 「あなたは化粧品買取店の販促担当です。50代女性向けに、使いかけ化粧品も買い取れることを伝えるチラシの見出し案を10個。各20字以内で、不安をやわらげる言葉づかいで」
一度で完璧を求める必要はありません。「もっと短く」「2番の方向でもう5案」と会話で直していくのがコツです。
第5章 Coworkの第一歩 仕事を丸ごと任せる
チャットとの違い
公式は使い分けをこう説明しています。
- 数回のやり取りで済むもの(質問・説明・ブレスト)はチャット
- 誰かが開くファイル、発表するスライド、整理すべきスプレッドシートといった「成果物」が必要ならCowork
Coworkは「ゴールを説明して席を離れ、戻ってきたら仕事ができあがっている」という委任型の道具です。
使うための条件
- 有料プラン(Pro/Max/Team/Enterprise)であること。無料プランでは使えません
- パソコンのClaudeデスクトップアプリを使うこと(macOS・Windows対応、Linuxはベータ)
- 作業中はデスクトップアプリを開いたままにしておくこと
初期設定の3ステップ(公式ガイドより)
- Claudeデスクトップアプリを開き、Coworkタブに切り替える
- コンテキスト(材料)を与える: 作業してほしいフォルダを接続する
- 成果物をはっきり説明する: Claudeが実行計画を見せてくるので、確認してから開始する
AIに渡す背景情報や材料のこと。ここでは「どのフォルダのどのファイルを使っていいか」を指します。
最初に頼むのに向いている仕事
- ダウンロードフォルダの整理(種類別にフォルダ分け)
- 複数の請求書PDFから一覧表(スプレッドシート)を作る
- 会議メモをレポートの形に整える
- 複数の資料を読ませて比較表を作る
安全に使う3つの約束(公式の安全ガイドより)
- 機密でないファイルを入れた「専用の作業フォルダ」を作って、そこだけ接続する
- 確認なしで動かすモード(Act without asking)は原則使わない
- Claudeの行動の責任は使う人にある、と心得る(公式ヘルプに明記されています)
第6章 Claude Codeをのぞいてみる
Claude Codeは、Claudeがあなたのパソコンの中で直接ファイルを読み書きし、コマンドを実行してくれる道具です。
もともとプログラマー向けですが、ファイル整理や文書の一括処理など、事務仕事にも力を発揮します。
2つの入り口
| 入り口 | 始め方 | 特徴 |
|---|---|---|
| Web版(claude.ai/code) | ブラウザで開くだけ。インストール不要 | クラウド上の環境で作業。長時間タスクを任せて、あとで結果を確認できる |
| ターミナル版 | 第0冊の手順でインストール | 自分のパソコンの中のファイルを直接扱える。全機能が使える本命 |
「まず雰囲気を見たい」ならWeb版、「自分のファイルで仕事をさせたい」ならターミナル版です。
ターミナル版の入れ方は第0冊「セットアップ解説書」に、コピペだけでできる手順をまとめています。
使い方の本格的な解説は第2冊「中級者編」で行います。
第7章 よくあるつまずきFAQ
Q1 何を聞けばいいかわからない
「AIへの質問を考える」のではなく、「今日やる仕事をそのまま見せる」のがコツです。
書きかけのメール、迷っている判断、読むのが面倒な資料。それを貼り付けて「どう思う?」から始めれば十分です。
Q2 答えが的外れになる
情報が足りないサインです。第4章の4点(役割・目的・条件・見本)を足してみてください。
また「わからない点があれば、先に質問して」と付け加えると、Claudeの方から確認してくれます。
Q3 AIの答えは信用していい?
AIは、もっともらしい間違いをすることがあります。
数字・固有名詞・法律や税務の判断は、必ず元の資料や専門家で確認してください。
Web検索をオンにすると出典リンクが付くので、確認がしやすくなります。
Q4 会社の情報を入れて大丈夫?
まず社内でルールを決めましょう。顧客の個人情報や社外秘の数字は入れない、から始めるのが安全です。
本格導入時は、管理機能のあるTeam/Enterpriseプランを検討します。
Q5 使用量の上限に当たってしまった
時間をおくと回復します。日常づかいのモデルをSonnetやHaikuにする、長い会話をだらだら続けず新しいチャットに分ける、で消費を抑えられます。
第8章 まずは使ってみよう
この2つの課題で「仕事に使えた」という実感を作りましょう。
- claude.ai を開いて、実際に今週送る予定のメールやお知らせ文の下書きを貼り付けます(顧客名など個人情報は伏せ字にします)。
- 「あなたは(自分の業種)の店長です。この文章を、お客様に伝わりやすく直してください。直した理由も教えてください」と頼みます。
- 返ってきた案に「もっと短く」「もう少しやわらかく」と2回以上注文を付けて、仕上げます。
- 手元のPDFか画像(チラシ、請求書、名刺など)を1枚用意します。
- チャットに添付して「この内容を項目ごとに表に整理して」と頼みます。
- 続けて「この情報から、次にやることリストを3つ提案して」と頼みます。
出典(Anthropic公式ページ)
- Claude公式サイト https://claude.com/
- 料金プラン https://claude.com/pricing
- Maxプランの説明 https://support.claude.com/en/articles/11049741
- ファイルアップロード https://support.claude.com/en/articles/8241126
- Web検索 https://support.claude.com/en/articles/10684626
- 音声モード https://support.claude.com/en/articles/11101966
- メモリ機能 https://support.claude.com/en/articles/11817273
- モデルの選び方 https://claude.com/resources/tutorials/choosing-the-right-claude-model
- プロンプトの公式ガイド https://platform.claude.com/docs/en/build-with-claude/prompt-engineering/overview
- Cowork製品ページ https://claude.com/product/cowork
- Cowork入門 https://support.claude.com/en/articles/13345190
- Cowork安全ガイド https://support.claude.com/en/articles/13364135
- チャットとCoworkの使い分け https://claude.com/resources/tutorials/choosing-between-claude-cowork-or-chat
- Claude Code概要 https://code.claude.com/docs/en/overview
料金・機能は2026年7月時点の公式ページで確認した内容です。最新情報は各URLで確認してください。
この教材の内容を、自社で実践したい方へ
みんなのデジタル参謀は、奈良を拠点に中小企業のAI活用・DXを支援しています。
23年間リユース事業を経営してきた現役経営者が、御社の業務に合わせたAI活用の道筋を一緒に作ります。教材の内容をベースにした社内研修やセミナーのご相談も受け付けています。
相談してみる(無料)