中級者編 仕事の道具にする
初心者編の次は「毎回説明しなくても通じる環境」を作る段階です。この冊子では、ChatGPTを自分仕様に育てる機能と、調査・定型業務を任せる機能を扱います。内容はOpenAI公式ページで確認できた情報に基づいています(2026年7月時点)。
第1章 カスタム指示 全チャット共通のルールを敷く
すべてのチャットに自動で適用される「あなたへの答え方ルール」。設定のパーソナライズ(Personalization)から書けます。全プラン・全端末で使えます。
何を書くか
- 自分の立場: 「奈良県で買取店を経営。従業員10名」
- 答え方の好み: 「結論から。専門用語には補足。日本のビジネス慣習で」
- よく使う前提: 「文章は敬体。誇大表現をしない」
記入欄は1500文字までです。書いた瞬間から全チャットに効きます。
カスタム指示は自分で書く固定ルール、メモリは会話から自動で貯まる記憶です。土台をカスタム指示で作り、細かい好みはメモリに覚えさせる、という役割分担が実用的です。
第2章 Projects 仕事ごとの専用部屋
チャット・ファイル・指示を仕事のテーマごとに1か所にまとめる専用スペース。
Claude/GeminiにもProjects/Gemsという似た機能がありますが、考え方は共通です。「テーマごとに部屋を分けて、部屋に資料と指示を置いておく」。
設定手順
- サイドバーからプロジェクトを新規作成する
- 名前を付ける(例: 販促文作成、月次レポート)
- 資料(価格表・会社案内・過去の文例)をアップロードする
- プロジェクト指示に、そのテーマ専用のルールを書く
プロジェクト限定メモリ
プロジェクト作成時に「プロジェクト限定メモリ」を選べます。
その部屋の記憶を外のチャットと分離できるので、クライアントごとの情報を混ぜたくない場合に有効です。
第3章 GPTs 自分専用のChatGPTを作って配る
指示・知識ファイル・機能(Web検索・画像生成など)を組み合わせて作る、特定目的専用のChatGPT。プログラミング不要で作れます。作成には有料プランが必要です。
Projectsとの使い分け
| Projects | GPTs | |
|---|---|---|
| 主な用途 | 自分の作業部屋 | 作った仕組みを人に配る |
| 共有 | 自分用が基本 | 非公開/リンク共有/ストア公開が選べる |
| 向いている例 | 自分の月次レポート作成 | 全スタッフが使う「接客応対の相談役」 |
作成の流れ
- GPTsの作成画面を開き、目的を対話で伝える(またはConfigureタブで直接設定)
- 指示(このGPTの役割・答え方・してはいけないこと)を書く
- 知識ファイル(マニュアル・FAQ・価格表など)をアップロードする
- 使える機能(Web検索・画像生成・Code Interpreter)を選ぶ
- 共有範囲を決めて保存する
「新人向け業務マニュアルGPT」。就業規則やマニュアルを知識ファイルにして、リンク共有でスタッフに配る。質問対応の時間が減り、マニュアルも読まれるようになります。
第4章 Canvas 文章とコードの共同編集
チャットの横に開く編集画面。文章やコードを、AIと同じ画面で少しずつ直していけます。
チャットだと全文が何度も再生成されますが、Canvasなら「この段落だけ直す」ができます。
文章編集のショートカット(公式機能)
- 編集の提案を受ける
- 長さを調整する(長く/短く)
- 読みやすさのレベルを変える(専門的↔平易)
- 仕上げの磨き込み
長い提案書・ブログ記事・規程文書など、「作ってから磨く」タイプの仕事に向いています。
第5章 Web検索とDeep Researchの使い分け
調べものには2段階あります。公式も使い分けを明示しています。
| Web検索(Search) | Deep Research | |
|---|---|---|
| 速さ | すぐ返ってくる | 数分〜数十分かける |
| 深さ | 速報・単発の事実確認 | 多数の情報源を横断した詳細レポート |
| 出典 | リンク付き | 出典付きの長文レポート |
| 使いどころ | 「今日の為替は」「この会社の所在地は」 | 「リユース業界の市場動向をまとめて」「この設備投資の判断材料を集めて」 |
AIが自分で検索を繰り返し、情報源を読み込み、引用付きの調査レポートを作る機能。人間の「半日がかりの下調べ」を任せられます。
意思決定の「下調べ」をDeep Researchに、最終判断の「裏取り」を自分で。AIのレポートの引用元を2〜3箇所実際に開いて確かめる習慣とセットで使ってください。
第6章 Tasks(スケジュール実行)とアプリ連携
Tasks 決まった時間に自動で動かす
指定した時間・頻度でChatGPTが自動実行する機能。リマインダー、定期レポート、情報の監視などに使えます。
- 毎朝7時: 「業界ニュースを検索して3行ダイジェストを作る」
- 毎週月曜: 「今週の販促アイデアを5つ提案する」
- 毎月1日: 「月初にやることチェックリストを出す」
同時に持てる件数はプランによります(Go 3件/Plus 5件/Pro・Business 15件)。実行は1時間に1回までです。
アプリ連携(Apps)
Google Driveなどの外部サービスを接続し、チャット内から@メンションで呼び出せます。
接続は本人の認証が必要で、自分の権限の範囲でだけ動きます。
(この機能は2025年12月に「コネクタ」から「Apps」に名前が変わりました。古い記事ではコネクタと書かれています)
第7章 会社で使う時の注意
- 個人プランは初期設定のままだと入力が学習に使われる。全員が「モデルの改善」をオフにしているか確認する(初心者編第6章)
- 顧客の個人情報・社外秘の数字を入れない、を社内ルールとして文書化する
- GPTsを社外に公開する時は、知識ファイルの中身がヒントとして漏れうる前提で、公開してよい資料だけ入れる
- 本格導入はBusinessプラン(データ既定保護・管理機能)を軸に検討する
- AIの出力は必ず人間が確認してから社外に出す。特に数字と固有名詞
第8章 まずは使ってみよう
中級の仕上げは「自分専用の仕組みを1つ作る」ことです。
- カスタム指示に、自分の立場と答え方の好みを書きます(第1章)。
- 「(自社名)販促」プロジェクトを作り、会社案内と商品資料を2〜3点入れます。
- プロジェクト内で「新規のお客様向けの案内文を書いて」と資料前提の仕事を頼み、外のチャットとの答えの違いを確かめます。
- Deep Researchで「自分の業界の直近1年の動向」を調査させ、レポートの引用元を2つ以上自分で開いて確かめます。
- Tasksで「毎朝、業界ニュースの3行ダイジェスト」を設定します。
- 1週間運用して、続ける価値があるか判断します(不要なら消す。この取捨選択も練習のうちです)。
出典(OpenAI公式ページ)
OpenAIのサイトは自動取得を制限しているため、本書の内容は公式ページの検索経由確認を含みます。設定前に各ページを直接確認してください。
- カスタム指示 https://help.openai.com/en/articles/8096356
- Projects https://help.openai.com/en/articles/10169521
- GPTsの作成 https://help.openai.com/en/articles/8554397
- Canvas https://help.openai.com/en/articles/9930697
- Deep Research https://help.openai.com/en/articles/10500283
- Web検索 https://help.openai.com/en/articles/9237897
- Tasks https://help.openai.com/en/articles/10291617
- Apps(アプリ連携) https://help.openai.com/en/articles/11487775
- メモリ https://help.openai.com/en/articles/8590148
- 企業向けデータ保護 https://openai.com/enterprise-privacy/
本書の内容は2026年7月時点の確認情報です。
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