はじめに
2026年6月10日、AIの世界でニュースがありました。
Claude(クロード)を作っているAnthropic(アンソロピック)社が、新しいAIモデル「Claude Fable 5(クロード・ファブル・ファイブ)」を公開!
正直に言うと、私がこのニュースを見て最初に思ったのは、これでした。
「すごそう。でも、何がすごいのか分からない」
たぶん、同じように感じた方は多いと思います。
だから今日は、私がこの「分からない」をどうやって解いていったかを、そのまま書いてみます。
たどり着いた結論を先に言うと、今回のは、たとえるならこういう話でした。
「ある朝出社したら、超天才の社員が入社していた」
しかも、6月22日までは追加料金なしで使えます。
あなたが社長なら、この天才に何を任せますか?
結論:Claude Fable 5は、たとえるなら「ある朝出社したら超天才の社員が入社していた」という出来事です。
6月22日までは追加料金なしで使えます。
ただし本領を発揮するのは「重くて、長くて、複雑な仕事」だけで、日常の軽い仕事では今までのモデルとほとんど差は出ません。
だからいちばん問われるのは、この天才に何を任せるかを決める「問い」の方です。
何がすごいのか
Claudeには、性能のちがう何種類かのAIがいます。
今までの一番上は「Opus(オーパス)」。
これだけでも十分すぎるほど優秀です。
Fable 5は、そのOpusよりさらに上です。
今までは政府の関係機関など、ごく一部にしか提供されていなかった最高クラスの頭脳が、安全装置をつけた形で、私たちにも開放されました。
どれくらいすごいのか。
Anthropicの発表によると、アメリカの大企業Stripe(ストライプ)社では、人間のチームなら2ヶ月以上かかる巨大なシステム改修を、Fable 5がたった1日で終わらせたそうです。
2ヶ月が、たった1日⋯
これはもう「ちょっと優秀」のレベルではありません。
そして、すごいのは仕事の速さだけではありません。
今回のFable 5は、「目」も良くなりました。
写真や書類の中にある文字・数字・グラフを、前のAIよりずっと正確に読み取れるようになったのです。
文章を読むのが得意なだけでなく、画像を見て中身まで理解する力が、一段上がりました。
AI=文章を扱うもの、というイメージを持っている方は、ここはおさえておくと良いところです。
「分からない」を、質問でほどいていく
「すごそうだけど、何がすごいのか分からない」。
この感覚の正体を知りたくて、私はAI自身に質問をぶつけてみました。
最初に引っかかったのは、前に紹介した「ダイナミックワークフロー」という機能との違いです。
あれもAIが大きな仕事を細かく分けて、複数のAIで手分けして同時に進める、
「仕事が速くなる」
仕組みでした。
だから私はこう聞きました。
「ワークフローと何がちがうの? どっちも速くなる話だよね?」
返ってきた説明でもまだピンと来なくて、私はさらに自分の言葉で確かめにいきました。
「普通の社員とエリート社員のちがい、みたいなこと?」
「それとも、Fableそのものが何人かのチームなの?」
こうやって何度かやりとりして、ようやく腑に落ちたんです。
整理すると、こうでした。
- Fable 5 =「誰に頼むか」の話。社員そのものが賢くなった。
- ダイナミックワークフロー =「どう進めるか」の話。社員を何人かのチームにして働かせる仕組み。
くらべるものではなくて、組み合わせるものだったんです。
Fable 5はそれ自体は「1人の社員」。
そこにワークフローを組み合わせれば、天才を何人も呼んでチームで働いてもらえる。
今回のニュースの本当の意味は、「天才のチーム」という選択肢が手に入ったことだったわけです。
ここで気づいたことがあります。
私はこの「すごさ」を、質問を重ねることで初めて自分のものにできた。
最初から分かっていたわけではなく、聞いて、確かめて、ようやく分かった。
実はこれが、今日いちばん伝えたいことにつながっていきます。
でも、ここで冷静に
「すごい!全部Fableにやらせよう!」
と思った方。
ちょっと待ってください。
ここも大事なポイントです。
実は、普段の仕事では、Fableと今までのOpusの差はほとんど出ません。
メールの下書き、ちょっとした調べもの、資料の要約。
こうした日常の仕事なら、Opusで十分きれいにこなせます。
Fableの本領が出るのは、「重くて、長くて、複雑な仕事」だけです。
何日もかかる大きな仕事ほど、差が開きます。
逆に言えば、簡単な仕事に使っても、すごさはほぼ分かりません。
天才を雇ったのにコピー取りをさせていたら、もったいないですよね。
それと同じです。
注意:使用量を2倍のはやさで消費する
もうひとつ、大事な注意があります。
Claudeの有料プランには、月に使える量の上限(枠)があります。
Fable 5は、この枠をOpusのおよそ2倍のはやさで消費すると言われています。
「6月22日まで追加料金なし」というのは、お金が追加でかからないというだけで、使用枠はしっかり減っていきます。
だから、判断の基準はシンプルです。
「この仕事は、2倍の消費に見合うだけの重い仕事か?」
軽い仕事はOpusに。
重い仕事だけFableに。
これだけ守れば大丈夫です。
実際の使い方
私が今朝やってみた手順を、そのまま書きます。
チャットで使う場合は簡単です。
Claudeアプリのモデル選択を開くと「Fable 5」が一番上に出ているので、選ぶだけです。
Claude Code(開発ツール)で使う場合は、ひと手間ありました。
Fable 5には新しいバージョンが必要なので、まずターミナルでアップデートします。
claude update
そして起動し直して、モデル切り替えのコマンドを打ちます。
/model
ところが、私の場合はここで一覧にFable 5が出てきませんでした。
公開初日は表示が反映されるまで時間差があるようです。
そういうときは、名前を直接指定すれば動きます。
/model claude-fable-5
これで無事、天才に出社してもらえました。
しばらくすると一覧にも表示されるようになったので、「出ない!」と焦った方は直接指定を試してみてください。
最後にひとつ。
仕事が終わったら、Opusに戻すのを忘れずに。
/model opus
一度選んだモデルは次回も引き継がれます。
戻し忘れると、日常の軽い仕事まで全部2倍の消費でこなすことになります。
これが一番もったいないパターンです。
私が任せようと思っていること
ここまで偉そうに書いてきましたが、このニュースを見て、いちばん問われたのは私自身でした。
「うちの会社の、いちばん重い仕事はなんだろう?」
考えてみると、ありました。
自分たちで作ってきたシステムの「見直し」です。
私の会社では、買取業務のシステムや社内の仕組みを、AIを使って自分たちで作ってきました。
ちゃんと動いていますし、役にも立っています。
でも、走りながら作ってきたものなので、「本当にこの作りでいいのか?」と全体を見直す作業は、ずっと後回しになっていました。
まさに「重くて、長くて、複雑」な仕事です。
無料期間のうちに、これをFableに任せてみようと思います。
結果はまたこのブログで報告しますね。
結局、問われているのは「人間の側」
気づいたでしょうか。
「何を任せるか」を決めるために、私は自分の会社の仕事を全部見直すことになりました。
- うちでいちばん「重くて、長くて、複雑な仕事」はどれか?
- ずっと後回しにしてきた仕事は何か?
- 任せたとき、何ができていたら「合格」なのか?
AIがどれだけ賢くなっても、この問いを立てる仕事だけは、AIには代われません。
私はこれを「問い力(といりょく)」と呼んでいます。
答えを出す力は、これからどんどんAIに移っていきます。
Fable 5の登場で、その流れがまた一段はやくなりました。
だからこそ、人間に残る最大の仕事は、正しい問いを立てることです。
天才の成果は、天才の能力ではなく、任せる側の問いの質で決まる。
私はそう考えています。
まずは触ってみてください
Claude Fable 5は、Claudeの有料プラン(Pro/Maxなど)で6月22日まで追加料金なしで使えます(使用枠は消費します)。
23日以降も、利用クレジットを購入すれば使い続けられます。
そのとき、ぜひ自分に問いかけてみてください。
「うちの会社の、いちばん重い仕事はなんだろう?」
その問いが立った瞬間から、天才はあなたの戦力になります。