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Claude活用教材シリーズ 第3冊

上級者編 自動化と仕組み化

settings.json・スキル・MCP・hooks・headlessモードで、AIを業務の仕組みに組み込む
みんなのデジタル参謀
最終更新: 2026年7月20日

上級編のテーマは「人がAIを使う」から「仕組みの中でAIが働く」への転換です。設定ファイルによる安全な権限設計、自作スキル、外部ツール接続(MCP)、自動実行(hooks・headless)まで、Claude Codeを業務基盤にする方法を扱います。対象は、中級者編の内容を実践済みの人です。

第1章 settings.json 許可設定を設計する

用語 settings.json
Claude Codeの動作ルールを書いておく設定ファイル。JSON(ジェイソン)という書式で書きます。JSONは設定を書くための世界共通の書き方です。

毎回の確認プロンプトに全部手で答えるのは中級までのやり方です。

上級では「信頼できる操作は事前に許可し、危険な操作は禁止する」を設定ファイルで設計します。

設定ファイルの置き場所(効く範囲が違う)

場所効く範囲用途
~/.claude/settings.json自分の全プロジェクト個人の共通設定
.claude/settings.jsonそのプロジェクト全員(Git共有)チームの標準設定
.claude/settings.local.jsonそのプロジェクトの自分だけ個人の実験的な設定

許可リストの例

{
  "permissions": {
    "allow": [
      "Bash(npm run lint)",
      "Bash(git status)",
      "Bash(git diff)"
    ],
    "deny": [
      "Bash(rm -rf*)"
    ]
  }
}

allowに書いた操作は確認なしで実行され、denyに書いた操作は常に拒否されます。

設計の原則
「読むだけの操作」から許可していく。git statusやlintのような、実行しても何も壊れないコマンドが第一候補です。削除系・送信系は最後まで手動確認を残します。

セッション中に /config と打つと、設定画面から変更することもできます。

第2章 カスタムスキルとカスタムスラッシュコマンド

用語 スキル(Skills)
「この種類の仕事はこの手順でやる」という作業マニュアルをMarkdownファイルで置いておく仕組み。Claudeが必要な時だけ読み込んで従います。

CLAUDE.mdとの違いは読み込まれ方です。

スキルの作り方

.claude/skills/ フォルダにMarkdownファイルを置きます。

---
name: monthly-report
description: 月次レポートの作成手順
---

# 月次レポート作成

1. data/フォルダの当月CSVを集計する
2. 前月比を計算し、増減の大きい項目を3つ挙げる
3. report_YYYYMM.docx の形式で保存する
4. 数字は必ず元データと突き合わせて検証する

「/スキル名」で手動起動できるほか、Claudeが作業内容から自動で判断して使うこともできます。

何をスキルにするか
「月に2回以上、同じ手順を口頭で説明している仕事」がスキル化の候補です。議事録の整形、レポート作成、請求書チェックなど、手順が決まっている定型業務から始めます。

第3章 MCP 外部ツールとの接続

用語 MCP(Model Context Protocol)
AIと外部ツール(データベース、GitHub、Notionなど)をつなぐための共通規格。Anthropicが公開し、業界標準になりつつあります。「AI用のUSB規格」とよく例えられます。

MCPサーバーを接続すると、Claude Codeがそのツールを直接読み書きできるようになります。

接続コマンド

# ホスト型(HTTP)サーバーの例
claude mcp add --transport http sentry https://mcp.sentry.dev/mcp

# ローカル実行型(stdio)サーバーの例
claude mcp add playwright -- npx -y @playwright/mcp@latest

設定の効く範囲(スコープ)

スコープ保存先効く範囲
local(既定)個人設定今のプロジェクトの自分だけ
project.mcp.json(Git共有)そのプロジェクトのチーム全員
user~/.claude.json自分の全プロジェクト

接続状態はセッション中に /mcp で確認できます。

接続は一度に1つずつ
便利だからと一気につなぐと、問題が起きた時に原因が切り分けられません。1つつないで数週間運用し、安定してから次をつなぐ。これが事故を防ぐ運用です。

第4章 hooksとサブエージェント

hooks(フック) 決まったタイミングで自動実行

用語 hooks
「ツール実行の前後」「セッション終了時」など、Claude Codeの動作の節目に、指定したコマンドを自動実行させる仕組み。AIの判断を経由せず、必ず実行されます。

settings.jsonに書きます。主なタイミングは次のとおりです。

イベントタイミング使用例
PreToolUseツール実行の直前危険な操作のブロック、実行ログの記録
PostToolUseツール実行の直後ファイル編集後の自動整形・自動チェック
Stop応答の完了時作業完了の通知を送る

「AIが忘れるかもしれないルール」をhooksにすると、確実に実行される仕組みに変わります。

サブエージェント 調査を別動隊に出す

用語 サブエージェント
メインの会話とは別の記憶(コンテキスト)を持つ、子分のClaude。調査や検証を任せて、結論だけ受け取れます。

.claude/agents/ にMarkdownで定義します。用途の例は次のとおりです。

第5章 headlessモードとGitHub Actions 完全自動化

headless(ヘッドレス)モード

用語 headlessモード
対話画面なしでClaude Codeを1回だけ実行するモード。「-p」を付けて起動します。他のプログラムやスケジュール実行に組み込めます。
# 1回だけ実行して答えを受け取る
claude -p "このフォルダのCSVを集計して要点を3行で"

# 結果をJSON形式で受け取る(プログラム連携用)
claude -p "エラーログを分析して" --output-format json

# 他のコマンドの出力を渡す(パイプ)
git log --oneline -20 | claude -p "今週の変更内容を日本語で要約して"

これをOSのスケジュール機能(Macのlaunchd、Windowsのタスクスケジューラ)と組み合わせると、「毎朝7時にAIがレポートを作っておく」仕組みが作れます。

自動化の安全原則
headlessでは人間の確認が入りません。実行できる操作を --allowedTools で必要最小限に絞る、書き込み先を専用フォルダに限定する、結果を人間が検収してから使う、の3点を守ります。

GitHub Actions連携(開発チーム向け)

GitHubリポジトリにワークフローを設定すると、プルリクエスト作成時の自動コードレビューや、issue報告からの自動修正PRが作れます。

用語 GitHub Actions
GitHub上でプログラムの検査や処理を自動実行する仕組み。コードの変更をきっかけに動きます。

並行作業(git worktree)

worktree(ワークツリー)を使うと、同じプロジェクトの別ブランチで複数のClaude Codeを同時に走らせても、編集が衝突しません。

claude --worktree feature-a   # 1つ目の作業
claude --worktree bugfix-b    # 別ターミナルで2つ目の作業

第6章 コンテキスト管理のベストプラクティス

用語 コンテキスト
AIが今の会話で覚えていられる情報の総量。上限があり、埋まってくると精度が落ちます。

公式が挙げる管理術は次のとおりです。

  1. 関係ない仕事に移る時は /clear で白紙にする(1セッション1テーマ)
  2. 同じ仕事を長く続けて重くなったら /compact で要約させる
  3. 大量のファイル調査はサブエージェントに出して、メインの記憶を守る
  4. CLAUDE.mdやスキルは短く保ち、常駐させる情報を最小にする
  5. /context で使用量をときどき確認する
よくある失敗
公式ベストプラクティスは「キッチンシンクセッション(関係ない仕事を1つの会話に詰め込むこと)」を代表的な失敗として挙げています。台所の流しに何でも放り込むイメージの言葉です。仕事が変わったら /clear、が鉄則です。

第7章 安全とガバナンス

プロンプトインジェクションを知る

用語 プロンプトインジェクション
メール・Webページ・文書の中に「AIへの悪意ある指示」を仕込んでおき、それを読んだAIに意図しない行動をさせる攻撃。AIに外部の情報を読ませる時の最大のリスクです。

公式(Coworkの安全ガイド)が挙げる対策の考え方は次のとおりです。

その上で、利用者側の運用ルールが重要です。

  1. AIに読ませる外部情報(メール・Web)と、実行権限の大きい作業を安易に組み合わせない
  2. 機密でない専用の作業フォルダを使う
  3. 確認なしで動くモードは原則使わない
  4. 銀行・医療など重要度の高いサービスへのアクセスは許可しない
  5. スケジュール実行は低リスクな作業に限定する

責任の所在

公式ヘルプの明記事項
「Claudeが行ったすべての行動の責任はユーザーにある」と公式に明記されています。自動化を広げるほど、検収(人間の最終確認)の仕組みをセットで作ることが、上級者の責務になります。

社内ガバナンスのチェックリスト

  1. AIに渡してよい情報・いけない情報の線引きが文書化されているか
  2. 自動化した処理の結果を、誰がいつ検収するか決まっているか
  3. 失敗した時に元に戻す手段(バックアップ)があるか
  4. 許可設定(allow/deny)を定期的に棚卸ししているか
  5. 新しい接続(MCP・コネクタ)を追加する時の承認手順があるか

第8章 まずは使ってみよう

上級の課題は「仕組みを1つ作って、翌週も動いていること」です。

課題 定型業務をスキル化する
  1. 毎回口頭で説明している定型業務(議事録整形、週報作成など)を1つ選びます。
  2. 作業フォルダに .claude/skills/ フォルダを作り、本文の例にならって手順を書いたスキルファイルを置きます。
  3. 新しいセッションで「/スキル名」を実行し、説明なしで意図どおりの手順で動くか確かめます。
  4. 動かなかった部分だけスキルの文章を直します(この改善サイクル自体が上級者の仕事です)。
ゴール: 口頭で毎回説明していた仕事が、1コマンドで再現できるようになる
課題 headlessモードで毎朝のレポートを自動化する
  1. 集計対象のフォルダ(売上CSV、日報などのコピー)を用意します。
  2. ターミナルで次の形を試します: claude -p "このフォルダの最新ファイルを読んで、要点3行と気になる点1つを日本語で"
  3. 結果が安定するまで指示文を磨きます。
  4. 仕上げとして、OSのスケジュール機能やCoworkのスケジュール実行で毎朝動くように設定し、1週間運用してみます。
ゴール: 「自分が起きる前にAIが下ごしらえを終えている」状態を作る

出典(Anthropic公式ページ)

内容は2026年7月時点の公式ページで確認したものです。

社内で配れるPDF版もご用意しています。 シリーズごとに1冊にまとめた合本版です。ダウンロードはこちら

この教材の内容を、自社で実践したい方へ

みんなのデジタル参謀は、奈良を拠点に中小企業のAI活用・DXを支援しています。

23年間リユース事業を経営してきた現役経営者が、御社の業務に合わせたAI活用の道筋を一緒に作ります。教材の内容をベースにした社内研修やセミナーのご相談も受け付けています。

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本教材の内容は各社公式ページで確認できた情報のみで構成しています(最終更新: 2026年7月20日)。価格・機能は変更されることがあります。